加齢が進んで顔のハリが失われてきたら、まずチェックしたいのが食生活です。
食事から摂取する栄養は、肌と肉体を作る基本だからです。
食生活の乱れ顔の肌に影響を及ぼしますのでスキンケアには必須要項だと言えます。
肌のハリのための栄養の知識を少し勉強してみましょう。
顔のハリには栄養が必要
人体は食事から摂取する栄養を使ってエネルギーにした体細胞を成長させたりします。
これは、顔の肌細胞も同じことです。
よく、体調が優れないと「顔色が悪い」「顔つきがおかしい」などと言いますが、顔の肌は他の部分よりも新陳代謝のスピードが早く、栄養状態なども表れやすい場所なのです。
顔の皮膚組織をみずみずしくハリのある状態にしたいのであれば、新陳代謝(ターンオーバー)に必要な栄養素がたくさん必要になります。
顔のハリ復活に効果的な栄養素
加齢が進むと、若い時には体内で作られていた成分が徐々に生成しずらくなります。
年齢が高くなると肌が衰えてしまうのもこのためです。
また年齢が高くなると「代謝力」も低下し、食事で摂取した栄養が皮膚に使われる形になりにくくもなります。
そういった不足栄養素を補うことが顔のハリの復活につながるのです。
3大栄養素
人が健康な体を維持するためになくてはならない栄養素が「3大栄養素」と呼ばれるものです。
- 炭水化物
- タンパク質
- 脂質
世の中にはたくさんの健康法やダイエット法が溢れていますが、3大栄養素の中からどれか一つでも欠けるようなものは避けましょう。
顔の肌のハリを復活させる大原則だと覚えておいてください。
ビタミン・ミネラル
食事からの栄養素を、細胞に対して使えるようにするためには、ビタミンが必要です。
ビタミンは「補酵素」と呼ばれ、代謝力を何百、何千倍にも高める作用があるのです。
また「ミネラル」は、栄養分を体内酵素に変換するために無くてはならない成分で、肌の新陳代謝もこの酵素によって執り行われています。
ビタミンにはたくさんの種類がありますが、肌のハリのために意識して摂取したいのは以下です。
【脂溶性ビタミン】
ビタミンA・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンK
の4種類。
【水溶性ビタミン】
ビタミンC・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12・ナイアシン・葉酸・パントテン酸・ビオチン。
の9種類が必須です。
特に「ビタミンC」は、皮膚組織の土台を作るコラーゲンを生成するために不可欠な成分です。
――ミネラルは体内で合成することができない栄養成分です。
必ず食事や飲み物で補わなければなりません。
【必須ミネラル】
マグネシウム・カルシウム・リン・カリウム・ナトリウム・クロム・モリブデン・マンガン・鉄・銅・亜鉛・セレン・ヨウ素。
抗酸化物質
人体は栄養を摂取し、それを酸素と結びつけることでエネルギー変換しますが、その際に車の排気ガスに当たる「活性酸素」という毒物を排出します。
この活性酸素が増えることで、細胞が傷つけられたりして”老化の原因”になるのです。
そしてこの活性酸素を除去してくれる栄養素が『抗酸化物質』です。
いかに”皮膚細胞の酸化”を防ぐかが、肌のハリの復活のカギとなります。
【抗酸化物質】
- βカロテン
- ビタミンC
- ビタミンE
- ポリフェノール(ベリー類・茶・コーヒー・ココア・ナッツ類・緑黄色野菜など)
脂肪酸
「脂肪酸」とは脂質のことで、細胞そのものを作るために欠かせないものです。
「油分」に含まれますが、摂取する油の質によっては逆に健康を害してしまうものもあるので注意が必要です。
一般的にたくさん摂ることで健康にも肌の新陳代謝にも良いとされているのが「不飽和脂肪酸」で、以下のようなものがあります。
【不飽和脂肪酸】
- αリノレン酸(しそ油・ごま油・亜麻仁油など)
- DHA(青魚)
- EPA(青魚)
- リノール酸(ひまわり油・サフラワー油など)
- γリノレン酸(母乳・クジラ・ニシンなど)
- オレイン酸(オリーブ油・ひまわり油など)
ダイエットをする人はこれらの油分・脂肪分を避けがちになりますが、肌の新陳代謝には無くてはならない栄養素ですので、適度に摂取しましょう。
また植物油は、できれば「生」の状態で摂取することが理想です。
加熱すると脂肪として体に蓄えられやすく、またトランス脂肪酸に変異して肌にダメージを与える毒素になってしまいます。
顔の肌のハリを低下させる食生活
顔の肌のハリは、栄養素の補給だけではなく「ハリを低下させる物質を避ける」ということも考える必要があります。
現代人が普段食べている食べ物の中には、健康を害して肌を老化させてしまうようなものも少なくないのです。
美容に気遣われる女性の方ならば、「どんな栄養素を摂取するか」に加えて「どんな悪い食品を食べないか」も考える必要があります。
肌に悪い食べ物
現代の私たちが購入できる食品の中には、残念ながら健康を害したり肌に悪い食べ物を多く見つけることができます。
私たち日本人は、飢えて栄養失調になることはほとんどなくなりましたが、本当の意味で「質の良い食品」を食べられなくなっているのが実情です。
”質の悪い食べ物”とは、インスタント食品や菓子類・フリーズドライ・工場から出荷される加工食品を指します。
これらすべて「衛生面」ではなんの問題もありませんが、健康な肌作りに必要な栄養素が欠けていたり、あるいは健康を害するような成分まで配合されているのです。
また、衛生面を考慮して添加される合成保存料なども、体細胞に負担をかける原因になります。
これらは産地で取れる野菜などの生鮮食品と比べると、明らかに栄養素が低く、肌のハリに良い栄養成分が含まれていないことが多いのです。
また、過度に手を加えられた食品は自然の栄養バランスが崩れ、体内に入ったときに毒性化することも少なくありません。
菓子類やジュースなどを口にすると、決まって翌日に吹き出物や肌荒れが起きるのを経験したことはないでしょうか?
これは、体内で食べた品質の悪い食品を排出しようとしているとも考えられているのです。
こういった食品を毎日食べ続けることで、体内の栄養バランスが崩れ顔の皮膚にもたるみやシワができ、顔全体のツヤを奪ってしまう結果となることもあるのです。
ダイエットには要注意
女性ならば「ダイエット」をした経験があるでしょうが、方法が間違っていると顔のハリを失くしてしまう原因になります。
ここまでの解説で、肌の新陳代謝に食事からの栄養補給がどれほど大切かは理解できるはずです。
必要な栄養を摂取し、カロリーだけを抑えるようなダイエットなら問題ありませんが、劇的に体重を落とすために、必須栄養素まで食べないような無理なダイエットは、「肌美容的」には失敗に終わることがほとんどなのです。
また、急激なダイエットは、場合によっては女性の美容の根源である「女性ホルモン(エストロゲン)の分泌機能」を低下させてしまうこともあります。
過度なダイエットによって、生理が止まってしまうようなことはよく起こりますが、この時ホルモンバランスは大きく崩れ、肌細胞を健康に保つ能力が大きく低下してしまうのです。
栄養補給以外で気をつけたいポイント
肌を作るための栄養補給以外にも顔のハリのために気をつけたい栄養素があります。
それは「食物繊維」と「動物性脂肪」です。
これらは”栄養補給”の観点からは離れ、摂取の仕方によってはさまざまな病的な障害を引き起こす栄養素です。
食物繊維は美肌の基本
「食物繊維」は、それ自体は体組織を作る栄養素ではなく、摂取をすることで体内毒素や老廃物を排出することを促すものです。
食物繊維が不足すると、腸内環境が乱れて便秘がちになり、体内毒素が増えます。
するとそれを補うために肝臓や腎臓といった臓器に負担をかけ、肌の調子も低下させてしまうのです。
便秘がちのときには、吹き出物ができたり顔がむくんだりするのはそのためです。
食物繊維が不足して顔のハリがなくなったりたるんだりする原因にもなるので、積極的に摂取したい栄養素なのです。
動物性脂肪の摂りすぎに注意
ここまで推奨してきた肌のハリのための栄養素は、野菜と肉類の両方に含有されているものもあります。
その場合できれば野菜の方を選択することをおすすめします。
動物性のものでも肌に良い栄養素は含まれているのですが、同時に血管を詰まらせて生活習慣病を引き起こしやすい動物性脂肪も多く含んでいます。
適量ならば問題ありませんが、どうしても動物性脂肪は摂り過ぎる傾向にあるので気をつけたいところです。
血管が詰まり血行障害が起きると、肌トラブルが起きやすくなるのは想像できるはずです。
まとめ
多くの女性が肌のハリのなさに気づくと、新しい化粧品を探すことに必死になります。
しかし、本質的な美肌を目指すのであれば化粧品探しよりも「食生活を変える」ことが大切です。
肌細胞を作る必須栄養素を多く取り、同時に老廃物と毒素を排出する栄養成分の摂取も心が変えましょう。