人気のあるエラボトックスは、比較的安全性の高い施術方法ですが、副作用などがまったくないわけではなく、患者の体質やクリニックの技術などによっては副作用的症状が現れることもあります。

副作用を感じたときに的確な対処ができるように、ある程度の知識をつけておきましょう。

ボトックス注射の安全性と副作用

女性の顔

ボトックス注射の副作用を考える前に、まずはこの施術の性質を少し知っておく必要があります。

ボトックス注射は、ボツリヌス菌から産生される「ボツリヌストキシン」という毒の作用を利用する美容整形です。

大きなエラの中の筋肉(咬筋)に皮膚を貫通させて注射器で薬剤を注入し、筋肉の萎縮作用によってエラを収縮させて小顔にします。

”毒”とは言いますが、効果の高い病院の治療薬の多くは毒性を利用したものですから、一般的に言われる毒とは意味合いも違います。

ただし、厚生労働省認可の治療薬の多くは、使う量や体質との適合性によって「副作用」が起きます。

ボトックス注射に使われるボツリヌストキシンは、世界中の美容整形が使われていて、症例数の多さからも安全性の高いものとして知られています。

よくクリニック独自の製剤を使って事故が起きるニュースを目にしますが、本質的にああいったものとボトックス注射は違います。

形成外科で、まぶたの痙攣を抑えるための治療薬としてボトックス注射を用いる場合には健康保険が適用されます。

健康保険が適用されるということは、厚生労働省で認可薬として認められているので、医療的な立場から考えても、一定の安全性は確保されている治療法だということです。

このようにボトックス注射で使う薬剤には強い作用と効果があり、「副作用」ももちろん存在します。

しかし、命にかかわるような危険なものではなく、「軽度の症状が出る場合もある」というふうに認識しておくと良いでしょう。

副作用とダウンタイム

2つの違い

美容整形の用語に「ダウンタイム」というものがあります。

これえは施術後にメスを入れたり注射をした部分に腫れや発熱・痛みなどが現れたり、数日間から数週間入浴やメイクができない時間のことをいいます。

ダウンタイムに関して言うと、ボトックス注射はかなり軽度な症状しか現れません。

その日からシャワーくらいならしても大丈夫ですし、クリニックによってはその日からのメイクをOKしているところもあります。

ここで区別したいのは、このダウンタイムに現れる症状と、副作用は別のものとして考えなくてはならないということです。

ダウンタイムはボトックス注射の効果がやってくる、タイムラグなのです。

他の施術と比較

有効時間

副作用もゼロではないボトックス注射ですが、整形術と比べると副作用の心配はかなり低い施術方法だと言えます。

それは、「ボトックス注射の有効時間」が関係します。

施術を受け、希望通りの結果になったとしても、ボトックス製剤の効果には有効時間があります。

長くて半年程度、短ければ3ヶ月くらいで効果が薄れ始めるのです。

これは逆にいうと、副作用が起きたとしてもそれくらいの時間で消滅することを意味します。

これに対し、皮膚を切開して骨を切るような施術法では、失敗をしてしまえば再手術をしない限りはもとに戻ることはありません。

またレーザーや電磁波などを使った施術では、皮膚に損傷を受けるような副作用もあり、それも被害はボトックス注射の副作用よりも大きなものです。

ボトックス注射の失敗

失敗

メスで切開をせず、注射を打つだけのもボトックス整形ですが、それでも「失敗」はあります。

そのほとんどが、クリニックの医師の技術不足が原因で起こることが多いようですから、クリニック選びがいかに大切かがわかります。

ボトックス注射の失敗例

ショックを受ける女性

美容整形での「失敗」には2つのケースがあります。

1つは「希望通りの結果にならなかった」、そしてもう一つは「日常生活に支障が出るような副作用が出る」というケースです。

自分の顔に悩みがある人が、費用を払って思うような効果が得られないのも、間違いなく失敗の部類に入りますし、顔に障害が現れるのは明らかに失敗といってよいでしょう。

ボトックス注射を受けたときに起きやすい失敗例を見てみましょう。

失敗例~5つのケース~

フェイスライン

5つのケース

  • 顔が細くならず逆にエラが目立ってしまう
  • 口角が上がりにくくなる
  • 顔が引きつったように感じる
  • 笑ったときに違和感を感じる
  • 目の周辺・まぶたが腫れぼったくなる

美しくなりたい気持ちでボトックス治療を受けたのに、こういった失敗が起きるとかなり気が滅入るはずです。

一番最初の「エラが目立つ」というのは比較的起きやすいものです。

実際には顔は細くなっていて、ボトックスの効果は出ているのですが、元々の顔の作りが原因してエラが大きくなったような印象を受けてしまうのです。

エラが張る理由には、咬筋が大きく発達している場合と、エラ部分の顎の骨が大きい場合とがあります。

ボトックス注射をしてエラが逆に目立ってしまうのは後者の顔の作りの人の場合です。

こういった顔の作りの方は、痩せたときにエラが張る傾向にあるので、過去にダイエットを成功させたときの顔の様子を思い出してみれば想像することができます。

これも技術力が高いクリニックならば、施術前に想定することはできます。

それ以外の失敗例としては、使われている薬剤の量が間違っていたり、注射の打つ場所が的確でなかった場合に起こりやすい失敗です。

ボトックス注射で副作用が起きやすい条件

条件

どんな人でも料金を支払って副作用に悩まされたり、日常生活に支障が出るような事態を避けたいのは当然のことです。

では、ボトックス注射を受けたときに、どんな条件があるときに副作用が出やすいのでしょうか?

  1. 顔の骨格や形状と施術内容が合っていない
  2. 医師の経験・技術の不足
  3. 使用する薬剤の質が悪い
  4. カウンセリングで医師との相談・意思の疎通ができていない

とくに「医師との相談・意思の疎通」は重要です。

美容整形では「自分の思い通りになる」ことが前提としてあります。

人の美的感覚はそれぞれに違いますから、その部分で行き違いが起こりやすいのです。

医師に任せるだけではなく、こちらの希望をきちんと伝え自分がどういった結果を望んでいるのかを伝える必要があり、それを適当にしてしまうと失敗率を高めてしまうことになります。

自分の顔の悩みが解消されてはじめて”整形施術の成功”だといえます。

副作用を防ぐクリニック選び

リサーチ

ボトックス注射の副作用を避け、整形を成功させたいのであれば、クリニック選びは慎重にしなくてはなりません。

どの院を選ぶかによって、結果は大きく違ってくるので、安易に知り合いの紹介などで決めてしまわないことが大切なのです。

女性にとって顔の悩みは大きく、すぐにでも解決したいという気持ちが先走りますが、後で後悔しないためにもインターネットなどを利用して十分に検討しましょう。

  • 経験豊富なクリニックを選ぶ
  • ポータルサイトなどでクリニックの評判やランキングを確かめる
  • 安すぎるクリニックを選ばない
  • 十分にカウンセリングをしてくれるクリニックを選ぶ
  • 失敗した場合のアフターケアがあるクリニックを選ぶ

現在では幸いにもインターネットが普及し、こういったことが自宅にいながらにしてリサーチできる環境にあります。

自分の希望を明確化する

カウンセリング

美容整形では、明らかなクリニック側の技術不足による失敗や副作用ではなく、自分の希望があやふなことで起きる失敗も少なくありません。

自分がどれだけの費用で、どういった顔の変化をさせたいのかを、口頭で伝えられるように整理しておきましょう。

希望に近い顔を持つ有名人や写真を探しておくのも一つの手です。

それによって相談した医師にも、こちらの希望がうまく伝わる手助けになるのです。

まとめ

まとめ

ボトックス注射を含めた美容整形を検討するときに「副作用」の問題は軽視できません。

何も考えずに軽い気持ちでしてしまうと、以前にも増して悩みを持つことになるかもしれないのです。

クリニック選びを基本とし、自分の希望をしっかりと持つことがボトックス注射で失敗しないために大切な心構えだと覚えておきましょう。