とくに年齢を重ねた女性はたるみやシワ・くすみなどの肌の老化に悩んでいるはずです。

これは顔の肌に”ハリ”が失われた証拠。

肌年齢を若返らせるためには、顔のハリを取り戻すことが先決なのです。

ここでは失ってしまった顔のハリを蘇らせる化粧品の基礎知識を紹介しています。

顔のハリがあるってどんな状態?

疑問

思春期の人を見ると、自分との肌質の違いに愕然とする方は多いのではないでしょうか?

パンと弾力があってシワひとつない子どもたちの肌は、ある意味女性が考える美容・美肌の理想形とも言えます。

まだ10代の子供、とくに女の子の肌はキメが細かくたるみやシワ、くすみなどもなく毛穴も小さくて目立ちません。

メイクはおろか、化粧水で手入れをしていなくても、思春期の肌はキレイでツヤがあるのです。

「顔の肌のハリ」が絶頂期にある状態だと言えます。

ターンオーバーの早さが理由

10代以下の男女は成長期にあり、最も「新陳代謝(ターンオーバー)」が盛んな頃です。

ターンオーバーとは古い角質を捨て、皮膚の真皮層から新しい肌組織と入れ替えることを言い、これは加齢によって衰えてくる機能です。

また、思春期の女性は女性ホルモンの1つである「エストロゲン」の生成が最盛期になります。

エストロゲンには肌に水分を蓄え、保湿効果によって全身の肌細胞をみずみずしく潤いのある肌を作る効果があるのです。

全身の健康も顔のハリには大切

全身の健康

顔の肌のハリは、顔部分の肌だけの要因で変化するものでもありません。

加齢が重なってくると、誰しも全身の体細胞の老化が顕著になりはじめ、30代・40代と進むにつれて健康上に不安を抱えだしたり、生活習慣病のリスクを持つことになります。

「肌は健康のバロメーター」ともいいますが、内蔵の不調の多くは肌に”危険信号”として表れます

大人になっても健康体の方ならば、顔のハリも良いですが、同年代でも不健康な方や生活習慣が乱れている方は、顔のハリが失われてたるみやシワ・シミ・くすみなども起きやすくなるのです。

顔のハリが失われる原因

顔のハリが失われる

女性の顔のハリが加齢によって自然に低下していくのは自然なことなのですが、同年代の女性でもかなりのハリの差を感じることがあるはずです。

中には30代・40代でも20代に見える肌のハリの持ち主もいますし、逆に年齢平均よりもエイジングが進んでしまっている人もいます。

これは「肌のハリを失わせる要因」をどれだけもっているかと、その要因が何年持続されているかによって変わると言われています。

この、肌エイジングを進行させる要因を排除し、不足している分を補っていくことができれば、老化してしまった肌も徐々に蘇らせることができるのです。

生活習慣で肌のハリがなくなる?

肌のハリの差は、「毎日の生活習慣」によって状態が大きく違ってきます。

毎日知らず知らずのうちに、肌に悪い生活をしている人が多いと専門家は指摘するのです。

以下のような生活習慣をしていないか、自分自身でチェックしてみましょう。

顔のハリがなくなる生活習慣

紫外線

  • 睡眠不足、夜更かし
  • 暴飲暴食
  • 偏食
  • 運動不足
  • 紫外線を浴びすぎている
  • ストレスの多い生活をしている
  • 飲酒、喫煙
  • 過度なスキンケアを続けている
  • 肌に合わないスキンケア用品を使っている
  • 価格の安すぎるケア用品、メイク用品を使用している

現在、自分の年齢以上の肌の衰えを感じている方ならば、きっとどれかの項目に当てはまるはずです。

こういった生活習慣は自分でチェックして改めない限り、何年何十年と続けてしまうことが多く、肌にも健康にも良くないのです。

若い頃にはまったく肌コンディションの心配などなくても、月日が流れ、ある日鏡を見て愕然とする・・・という女性は多いようです。

こんな症状が出たら注意

肌の衰えとハリの低下には”サイン”が表れることが多いようです。

ハリの低下が長期間続くとそれだけに終わらず、深刻な肌トラブルに進行してしまうことも少なくありません。

そうなる前に、メイク時や洗顔の後などに「顔のハリチェック」をしてみましょう。

肌のハリ低下のサイン

チェック

  • 以前よりも乾燥肌になっていると感じる
  • ほうれい線が目立つようになった
  • 目元にたるみがあるように感じる
  • フェイスライン全体にシャープさがないと感じる
  • メイクのノリが悪くなったと感じる
  • 肌のキメが荒くなったと感じる
  • 毛穴が目立つようになった
  • シミが見えるようになった
  • 肌にくすみを感じるようになった

多くの女性は毎日メイクをするので、これらのサインに気づかない場合もあるようです。

軽度な乾燥などは、低価格の美容液やクリームでもなんとなくカバーできてしまいますから、つい軽視してしまいがちなのです。

注意深く自分の顔を観察し、少しでも早くハリの低下と衰えのサインを発見しましょう。

顔のハリを取り戻すには?

顔のハリを取り戻すには、まず肌にハリをもたらす要素を知っておく必要があります。

エイジングケアをしようと思い立ったときに、スキンケア用品を買い換える際にも、その知識が大切になるのです。

特に加齢が進み、前項で挙げた「ハリ低下のサイン」が今現在顕著に現れいてる女性なら、生活習慣の改善とともにハリの復活に特化したケア製品を取り入れることが必須になります。

顔のハリに必要な要素

顔のハリ

加齢や生活習慣の悪さが原因し肌のハリが失われつつある人は、肌組織の中の潤い成分や、細胞組織自体が減少したり萎縮しています。

肌にハリを与える物質には次のようなものがあります。

コラーゲン

顔の表面に見えている肌は「角質層」であり、薄さ0.02ほどの薄い膜です。

この部分も顔のハリには大切ですが、肌コンディションの根本的な原因は「真皮層の中」にあります。

「コラーゲン」は真皮層内細胞の70%を占める大切な成分で、肌のハリに最も関連するタンパク質の一種です。

コラーゲンの生成は、年齢が高くなるに連れて低下すると言われていますので、特に中年期以上の女性は気をつけたい肌のハリ成分だと言われています。

エラスチン

「エラスチン」は、肌のハリ弾力に直接的に関係する成分です。

「弾性繊維」と言われることからも、減少するとたるみを作る原因となるのです。

コラーゲンと比べると真皮層内物質の3%ほどしかありませんが、美肌を考えるときに忘れてはいけないものです。

ヒアルロン酸

さまざまなスキンケア製品に配合されていることで有名な「ヒアルロン酸」も、もとは肌細胞内の成分の一つです。

ヒアルロン酸には「1gで6リットルの水」を吸収する能力があると言われます。

まさに”肌のみずみずしさの源”と言っても過言ではありません。

ヒアルロン酸もコラーゲンと同様に、加齢が進むにつれて生成しづらくなる細胞組織の一つです。

コラーゲンやエラスチンと連動し、皮膚組織の土台を形成しているのです。

セラミド

セラミドは、皮膚組織の中の細胞と細胞の間に存在するスポンジ状の物質で、水分や油分を蓄えこんでいる”細胞間物質”です。

細胞間物質にはセラミド以外にもありますが、セラミドは50%の占有率がある大切な物質なのです。

セラミドは加齢以外にも生活習慣や環境によっても増減し、減少することで肌のハリを低下させる重要な物質だと言えます。

これら肌のハリに直接的に関連する細胞物質や成分を知ると、自分の肌の真皮層に一体何が不足しているのか?を把握することができます。

スキンケア用品を探す場合にも、紹介した成分がちゃんと配合されているかどうかを確認する基準となるでしょう。

顔のハリのための化粧品選びの基礎知識

化粧品

ほとんどの女性が何らかの化粧品をお使いですが、正しいスキンケア用品選びの方法を熟知している方は少ないようです。

美しい宣伝広告や宣伝文に惑わされ、自分の肌に合わない高額な製品を購入してしまうケースが跡を絶ちません。

現在お持ちのスキンケア用品が、皮肉にも顔のハリを失わせる原因になっている可能性も0ではないのです。

ブランドやCMに惑わされない、正しいスキンケア要因選びの基礎知識を備えておきましょう。

正しいスキンケア用品選び

正しい

スキンケア用品選びでまず大切なことは「自分の肌質に合ったものを選ぶ」ということです。

”肌質’といっても漠然としていますから、次の分類の中で自分の肌が状態かをまずチェックします。

  • 脂性肌
  • 乾燥肌
  • 普通肌
  • 混合肌
  • 敏感肌

顔の肌上の水分量皮脂量は、肌質の大きな目安となります。

脂性肌や乾燥肌ならば、真皮内のコラーゲンが不足している可能性があり、混合肌や敏感肌ならば「女性ホルモン」が関係している可能性が高くなります。

そして、スキンケア用品の多くは、メーカー配信のホームページで詳しい解説がされています。

スキンケアと言っても美白や保湿など、目的はたくさんありますから、必ず「エイジングケア」や「肌のハリ」に特化したものを選ぶようにしましょう。

前項で紹介した補充をおすすめする成分、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸・セラミドが多く配合されたものを選びます。

また、「配合」とだけ書かれているようなものではなく、含有量を「○○mg」「●●g」と明記しているものを選ぶことが大切です。

いくつかのスキンケア製品を比較していると、だんだんどの製品にどの成分がたくさん入っているかが分かってくるはずです。

またこれらの成分で品質の高いものは、原料コストも高くなります。

極端に低価格なものを選ばないことも、スキンケア用品選びでの基本であることも覚えておきましょう。

正しいスキンケア用品の使い方

どれだけ品質の高いスキンケア用品を購入しても、使用法が適切でなければ、思ったような効果が得られません。

その製品が本来持っている性能を十分に引き出し、効果をアップさせるためには適切な使用法を知っておくことが大切なのです。

朝のスキンケア

朝

朝の顔の肌は、最も長時間放置されている状態で、スキンケアが大切な時間帯です。

前日につけたクリーム類の多くが剥がれてしまっている状態であり、部屋の湿度によっては乾燥状態に陥っていることも少なくありません。

  1. 洗顔
  2. 化粧水
  3. 乳液や美容液

といった順に顔のハリ用化粧品を用います。

そしてこれはスキンケアの基本ですが、洗顔後にはなるべく早く化粧水をつけることが大切です。

洗顔直後がケア用品の成分が浸透しやすくなりますし、何もつけていない無防備な状態をなるべく短くして肌乾燥を防ぐためでもあります。

昼のスキンケア

意外に見落としがちなのが、「日中のスキンケア」です。

特に働かれている女性は、メイクにばかり気を取られ肌のお手入れがおろそかになりがちなのです。

休憩時間などに頻繁に肌に水分を補給できる、保湿化粧水などを使いましょう。

メイクの上からでも使用できるものもたくさんありますので、探してみてください。

夜のスキンケア

夜

最も時間に余裕のある夜の時間帯は、徹底的に肌をケアすることができます。

  1. 入浴(できればバスタブに浸かる)
  2. クレンジング
  3. 洗顔
  4. 化粧水
  5. マッサージ
  6. 美容液、ナイトクリーム等

肌はできるだけメイクや汚れを残さず、その上からスキンケア用品を使う方が、高い効果を期待することができます。

できればシャワーだけではなく、バスタブに浸かり体温を上昇させて汗をかくことで、毛穴の汚れもスッキリと落ちてくれるのでオススメです。

入浴は体温が上がることで冷えを改善して新陳代謝も高めてくれるので、美肌の基本だと覚えておくと良いでしょう。

また、顔のハリのための成分を含んだスキンケア用品は、肌から浸透して作用するので「マッサージ」を併用することでその効果をアップすることができます。

“マッサージ”は真皮層の奥にある「表情筋」の緊張をとり、血行を促進させてフェイスラインを引き締める効果もあるので、一石二鳥の方法だと言えます。

毎日数分でもいいので、習慣にすることをおすすめします。

――適切なスキンケア用品の使い方を続けていれば、顔のハリの復活を実感できるようになるでしょう。

数週間~数ヶ月続けることで、見えない肌組織内の状態が改善され、徐々にハリやツヤが取り戻せるようになるのです。

まとめ

若い時には安物の化粧水だけで保てた美肌も、加齢が進むと体質的にも衰え生活習慣の悪さも蓄積していき、これまでと同じやり方では美肌を保つことはできなくなります。

肌の衰えは、「顔の肌のハリ」を取り戻すことで実現できます。

このページで紹介した顔のハリのための化粧品を選び、適切な使い方でエイジングケアを習慣化しましょう。