私たち人の肌は、季節に影響を受けて性質が変わります。

ですからスキンケアも年中ずっと同じでは肌にダメージを与えてしまうことになるのです。

天候や気温・湿度、紫外線なども季節によって違いますから、美肌を保ちたいのであれば「季節別スキンケア」の方法を知っておく必要があります。

季節別で違う肌へのダメージ

季節別の肌へのダメージ

日本には極端な季節の変化があります。

雪が降り氷点下にまで温度が下がる冬もあれば、気温30度を超えて熱中症を起こすまでに気温が上がる夏まであり、その温暖差はかなりのものです。

もちろん私たち日本人の体は、そんな風土に適合した体質は持っていますが、美しい肌を維持するためには意識的な努力も必要なのです。

多くの女性が自分の肌質に合うスキンケア用品を見つけるとそれを一年中使ってしまいますが、季節の環境が大きく変わる日本のような環境では対応しきれません。

季節ごとに肌が受けるダメージは違います。

そこをまず知っておくことが大切なのです。

それでは、季節別に受ける”ダメージ”を見てましょう。

春の季節のダメージ

春のダメージ

長い冬を抜けて気温も上がり、自然界ではたくさんの動植物が活動を始める「春」は、女性の肌にとっても比較的すごしやすい季節でもあります。

ただし、季節の変わり目に自律神経の変化が追いつかず、精神的・肉体的に不調が現れやすい季節でもあるのです。

とくに女性の美肌に必要な女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が不安定になると、肌が荒れてしまうこともあります。

また、すべての女性ではありませんが、春には花粉などのアレルギー物質もたくさん飛来します。

アレルギー体質の女性は、肌にダメージを受けることも少なくありません。

そして最後に「紫外線」です。

紫外線は夏のイメージがありますが、実は5月・6月の方が紫外線量は多いのです。

春の後半くらいから徐々に紫外線対策も必要になることを覚えておきましょう。

夏の季節のダメージ

夏のダメージ

「夏」の季節の肌へのダメージの代表は”紫外線”です。

紫外線は肌に強いダメージを与えて老化させたりシミを作ったりします。

また夏の季節には「汗」の問題も出てきます。

汗自体は肌を守るために分泌されるものですが、ハンカチで汗を拭ったり刺激の強い制汗剤を使うなど、肌への”物理的ダメージ”が多いのです。

夏は湿度も多く荒れることは少ないのですが、シャワーや洗顔の回数が増えてしまうことで受けるダメージも軽視できません。

体質自体は暑さに負けていなければ代謝力も高まる季節ですから、比較的安定した季節だと言えるでしょう。

秋の季節のダメージ

秋のダメージ

「秋」は湿度の高い夏から一気に乾燥状態に変化します。

乾燥が肌の大敵であることは、女性ならばすでにご存知ですね?

また、秋には春の季節と同様に自律神経や体内ホルモンの変化が起きるので、体調や肌質にもダメージを受けることもあります。

自律神経やホルモンがうまく切り替わらなければ、肌荒れが起きることもあるのです。

冬の季節のダメージ

冬のダメージ

一年のうちで肌に最も過酷な季節が「冬」です。

乾燥は本格化し、肌のターンオーバー(新陳代謝)も低下するので、肌が荒れやすくなります。

また、秋に蓄えた栄養の反動で老廃物が排出しやすくなって、吹き出物なども出やすくなります。

ニキビや吹き出物を放置してしまうと、二次的な肌トラブルを引き起こすので、症状が軽いうちにケアしてしまいましょう。

冬は日照時間が短く紫外線の心配は少なくなりますが、寒さのために運動量が低下することで起きる体調不良も肌のコンディションを悪くしてしまう原因になります。

季節別のスキンケアのポイント

季節によって肌に受けるダメージの種類が違いますから、もちろんスキンケアもそれに合ったものにする必要があります。

一年中同じスキンケアを続けてしまうと、逆に肌の状態を悪くする要因を増やすことにもなるので、注意が必要です。

季節別にポイントをおさえたスキンケアをすることが、一年中きれいな肌をしていられるための秘訣なのです。

春のスキンケアのポイント

花粉

春の季節に意識したいのは、「花粉やアレルギー物質をいかにきちんと洗い流すか」ということです。

春は湿度もそこそこあり、肌荒れの心配は少ないですから、洗浄力の弱い洗顔料やクレンジングを使い顔を洗う回数を少し増やすことが大切です。

体の中の生体活動が活発になることで、皮脂分泌が盛んになり、ニキビや吹き出物が出やすくなる季節でもあります。

こういった肌トラブル回避のためにも洗顔回数を増やすことが有効なのです。

また自律神経が乱れやすい季節ですから、ストレスケアも同時に行うと良いでしょう。

夏のスキンケアのポイント

紫外線

夏の季節といえば「紫外線(UV)対策」です。

最近では、肌に負担をかけないために細かくUVカットレベルが設定された商品があるので利用しましょう。

紫外線対策クリームには「大は小を兼ねる」は通用しません。

UVカット能力が高いほど肌へのダメージが大きくなるので、最低限のラインを自分なりに探すことが大切です。

また、UVカットは完璧に行うことは難しく、多少なりとも強い日差しを受けます。

化粧水を使う量を増やし、保湿パックを利用するなど、肌のクールダウンも必要になります。

気温が高いので発汗量も増え、汗の塩分のために顔が痒くなって掻いてしまい、肌を傷めることも少なくありません。

汗対策のために柔らかいタオルや汗ふきシートなどうまく使うことも、夏のスキンケアのポイントです。

秋のスキンケアのポイント

クリーム

秋に入ると一気に気温が下がり、湿度も激減します。

体力が消費される夏場の後にどうしても肌は疲労し、乾燥状態に陥りますから、まずは保湿することが最優先です。

また「食欲の秋」という言葉があるように、自然界の動物も人間も、秋には大量の栄養を必要とします。

これは「排出の季節」である夏の後だということと、来る冬に向けて栄養とカロリーを体内に蓄積させることが理由です。

スキンケアに使うのは、栄養素をたくさん含んだ美容液やクリームが最適です。

他の季節よりも多く使うように心がけましょう。

もちろん、栄養豊富な食事をすることも大切です。

冬のスキンケアのポイント

マッサージ

冬は一年で一番乾燥する季節ですので、ポイントは秋と同じく「保湿」になります。

また、冬は体の機能も格段に低下し新陳代謝をしなくなるので、マッサージなどで代謝を上げてやることも大切です。

新陳代謝は「古い角質を落とし新しい肌組織に入れ替える」ということをしていますから、古い角質を意識的に落としてやるとターンオーバー(新陳代謝)のサポートになります。

あと、意外に忘れがちなのが「冷え対策」です。

体が冷えてしまうことでも新陳代謝が鈍化し、肌のバリア機能を低下させたりしますので、軽い運動をしたり入浴時間を長くするなどの工夫をしましょう。

体を冷やさない食事を心がけることも良い方法です。

季節の変化に負けない肌を作るには?

負けない

このように、日本の四季に耐えて美肌を維持するのはかんたんではありません。

それぞれの季節別のスキンケアを工夫しなければ、環境と体質の変化についていけず、肌トラブルを招いてしまうのです。

そして、肌は人体で独立して存在しているわけではありません。

むしろ、健康状態の良し悪しによって肌のコンディションも変化するのです。

季節に負けない肌を作るためには・・・

◎規則正しい生活をする
◎睡眠の質を高める
◎食生活に気をつける
◎ストレスを溜め込まないようにする

といった”健康の基本”を守ることが大切です。

自律神経や体内時計が整えば、季節による環境の変化に体と肌の順応力も高まりますので、肌荒れが目立つ人はまず生活習慣を整えることも視野に入れて行動しましょう。

この記事のまとめ

季節性を無視したスキンケアが逆効果になることがお分かりいただけたはずです。

また、スキンケアだけにとらわれず、体の内側から起きる季節別の変化にも注意をしなくてはなりません。

最近では各化粧品メーカーが、季節別に合わせられるような高機能なケア商品を販売しているので、ネットなどを利用して調べてみましょう。