現在では多くの美容クリニックでボトックス施術を提供しています。
より効果的で安全に施術を受けるためには、ボトックス注射の知識を少しつけておくと、自分の希望や経済力に合った施術を受けることができます。
ここではボトックス注射について、値段の面から解説をしています。
ボトックス注射の概要
「ボトックス注射」とは、細菌の一種であるボツリヌス菌が作り出す毒素を、ごく少量(安全なレベル)で筋肉に注射することで起きる萎縮作用を利用した施術法です。
「毒素」と聞くと怖い感じがしますが、その毒による副作用の心配はありません。
ボトックス注射はその作用を利用し、さまざまな美容手術や医療手術に利用されます。
収れん作用を利用した多汗症の治療やシワ・たるみ取りにもボトックス注射は用いられています。
美容外科では自由診療になりますが、まぶたの痙攣を抑えるための”治療”として注射する際には健康保険も使えるので、立派な医療薬剤ということになります。
エラの改善(小顔)に人気
近年とくに注目されているのが大きく広がったエラを改善するのにボトックスを注射する施術です。
部分的に小顔にするのが非常に困難だということは、経験した方ならわかるはずです。
エラや顔の大きさは、ダイエットをしたりしても思うようなフェイスラインを作ることができません。
目や鼻と同様に個人の努力で改善することが難しい部位なのです。
エラの張りの原因である顔の筋肉を形成している「咬筋」にボトックスを注入し、筋肉の動きを止めることでエラの張りが抑えられ小顔になります。
咬筋はアゴから目尻付近を通り額に向かって伸びる大きな筋肉なので、ここを収れんさせることで顔自体が小さくなるのです。
エラや顔の大きさで悩む女性は多く、ボトックス注射によってエラの張りを抑えたり小顔にできることで非常に人気が高まっています。
切開手術と同等な効果が得られる
ボトックス注射による施術は、メスを使わないために「プチ整形」に分類されます。
しかし、その効果の高さは、顔の皮膚を切開して顎の骨を削り除去するような大手術と同等の効果が得られるのです。
施術時間そのものは5分から10分くらいと非常に短く、ダウンタイム(施術の後、日常生活に戻れるまでの時間)もほとんどないという気軽さが多くの女性から支持される理由でもあります。
麻酔は局部で済み、術後の点滴などの必要もありません。
ボトックス注射の値段の秘密
ボトックス診療は、選ぶ院によって値段に差があります。
冒頭でも書きましたが、ボトックス注射は美容外科で行う場合ほとんどが自由診療になり保険が適用できません。
各クリニックの営業方針によって料金も決定されるので、コストの問題でまず悩みます。
ボトックス注射の値段の相場は、「5万円~10万円以上(1回当り)」と意外に差があるのです。
これにはクリニックごとの営業方針や、使用されるボトックス薬剤に秘密があります。
高い技術をもった医師ならば、それ相応の料金になるのが普通ですが、営業的に割安に料金を抑えてライバル院との競争しようとするケースもあります。
またボトックス剤は非常に高額であり、注入する量やメーカーの違いでも料金に差が出るのです。
値段だけで選ぶ危険性
美容整形はけっして安い値段ではありませんから、どうしても女性がクリニック選びをする際には料金ばかりに目がいってしまいます。
しかし、クリニック選びを値段だけで選んでしまうのはおすすめできません。
それには次のような理由があるからです。
- 薬剤の質が悪い(メーカーが悪い)
- 薬剤を薄めている
- 施術する医師の経験が浅い
- アフターケアが充実していない
ボトックス注射に使う薬剤にはいくつかの種類や製造メーカーがあり、粗悪なものを使っているケースも少なくありません。
また薬剤を薄めているということもあり、効果の持続時間が短くなることで、結果的に施術回数が増えてしまうということもあるのです。
そして、これも基本的なことなのですが、施術する医師、あるいは、そのクリニック自体の技術が低い場合もあります。
アフターケアで高額な追加料金が発生することもあるので、1回分のボトックス注射の値段でクリニックを決めてしまうことがいかに危険なことかが理解できるでしょう。
薬剤のことも知っておくこと
ボトックス注射の本当の料金の価値を知るためには、ある程度薬剤の知識が必要になります。
本来ならば”ボトックス”という言葉自体が米国アラガン社製の商品名で、最も基本的な薬剤になります。
それ以外にもジェネリックや他社の薬剤も存在します。
以下に一覧を掲載しています。
ボトックスビスタ
米国アラガン社製の薬剤で、小顔効果の高さと安全性がメリットです。
ゼオミン
ドイツのメルツ社製の薬剤で、長期間使い続けることで体質的に抗体ができ、徐々に注入量を増やさなけらばならないというアラガン社製の薬剤の欠点を改善しています。
ニューロノックス
アラガン社製ボトックスの正規後発薬品で、同程度の効果で低価格なのがメリットです。
これらが現在の日本でよく使われている代表的なボトックス製剤の種類です。
どのクリニックもどんな薬剤を使っているかは提示されているので、値段比較の材料にしましょう。
ボトックス注射の相場
日本の美容整形でのボトックス注射の相場は「5万円~10万円以上」になります。
これは一回分の注射の費用で、小顔を維持し続けるためには3ヶ月~6ヶ月ごとに再注射する必要があることも意識しておくことも大切です。
日本にはたくさんの美容外科があり、どの院もインターネット上でホームページを配信していて、そこに料金の案内もあります。
ボトックス注射値段一覧
日本で営業している、比較的知名度の高い美容外科でのボトックス注射の施術料金を見てみましょう。
以下が一覧です。
美容外科名 | 種類 | 値段 |
---|---|---|
品川美容外科 | アラガン社製ボトックス | 11,100円 |
城本クリニック | アラガン社製ボトックス | 58,000円 |
高須クリニック | アラガン社製ボトックス | 150,000円 |
湘南美容外科クリニック | アラガン社製ボトックス | 20,000円 |
トータルのコストも忘れないように
ボトックス注射の薬剤自体は世界中で使われて安全性は証明されていますが、思ったような結果にならないなどの失敗も0ではありません。
気に入らない結果になった場合のアフターフォローが最初から明示されているクリニックなら安心できます。
またボトックスの効果を維持するためには、1年間に数回施術する必要もあります。
カウンセリングの料金の有無など、トータルのコストも予約を入れる前に調べておきたいものです。
ボトックス注射はそれ単体でも高い小顔効果がありますが、患者の希望によっては医師との相談後にヒアルロン酸注入などその他の施術と併用するケースも少なくありません。
こういったケースになった場合のことも想定し、ホームページは隅々まで目を通しておくことが大切なのです。
少しでもコストを抑えたいなら
ボトックス注射術を受ける場合のクリニック選びは値段だけで決めてはいけませんが、どうしても高くなってしまうものであり、資金を安く抑えたいという方もいるはずです。
そんな場合には、「クリニックモニター」に申し込んでみるのも一つの方法です。
施術前と施術後の写真を提供したり、体験談を執筆するなど、かんたんな作業をするだけで料金を安くしてもらえるのです。
ただし、どのクリニックでも常に募集しているわけではないので、電話などで問い合わせてみましょう。
どこまで個人情報を開示しなくてはならないかなどの確認もしておくことが大切です。
不特定多数の人が閲覧できるホームページや広告に自分の写真が掲載されるのですから、許せる範囲のレベルなどもプライバシーポリシーを見て確認しておきましょう。
またクリニックによってはポイント制度を導入しているところもあります。
ボトックス注射による小顔術は継続的な施術が必要ですから、ポイントを利用することで結果的に安コストを抑えることになります。
まとめ
ボトックス注射は美容整形術の中でもかんたんな部類ですが、意外に選ぶ医師のテクニックによって結果に大きな差があるといいます。
クリニック選びには値段に加えて、医師の技術力にも注意することが大切です。