昔は若くてみずみずしい肌だったのに、年をとってから肌の水分がなくなってきてカサカサになってきたという人も多いのではないでしょうか?

最近では様々な保湿力に優れたスキンケア商品も販売されていますが、肌の潤いには肌本来の力である”バリア機能”という皮膚の働きも大きく関連しています。

「肌のバリア機能」とは、肌の潤いをキープしたり外からの刺激から守ってくれる力のことで健康的で潤いのある肌には欠かすことが出来ない大切な存在です。

肌が渇いてきたと感じているのであれば、もしかするとバリア機能が低下しているのかもしれません。

今回は、健康な美肌にはなくてはならないバリア機能についてご紹介したいと思います。

肌のバリア機能はどんな構成になっている?


そもそもバリア機能とは、どういったパワーのことなのでしょうか?

まずは、バリア機能どはどういったものであるのかを紹介していきます。

ヒトの肌はわずか0.5~2mmくらいの厚さしかありませんが、このような非常に薄い肌でもいくつかの層から構成されています。

大きく分けると一番下から「皮下組織」、「真皮」、「表皮」という3層構造になっているのですが、一番外側にある表皮がバリア機能を備えています。

そしてさらに、表皮の一番上に角質層という表皮細胞が死んで出来た細胞の層があるのですが、バリア機能は「角質のバリア機能」とも言われており、この角質層があることでバリア機能が正常に働くことが出来るのです。

バリア機能は死んだ細胞の層で出来ている

角質層はターンオーバーによって基底層から生まれた表皮細胞が約28日かけてどんどん上に押し上げられ、その表皮細胞が死んだ角質細胞となり、角質細胞がレンガのように積み重なって出来た層のことです。

角質層はいくつもの層が重なって出来ていて、例えば顔の場合だと約20層の角質細胞が重なっていると言われているのですが、その厚さはわずか0.02mm程度であり非常に薄い層になっています。

角質細胞

顔だけでなく、私たちの全身の皮膚表面に角質層が存在していますが、これが美肌だけでなく健康にも関わってくる非常に重要な働きをしているのです。

角質細胞は死んだ細胞の集まりではあるのですが、様々な外的から肌を守ってくれているのです。

それでは次に、バリア機能が具体的にどのようは働きをしているのかについてみていきたいと思います。

バリア機能はどんな働きをしている?

バリア機能の働き
バリア機能の「バリア」は文字通り、「障壁」、「防壁」、「防護壁」と言った意味があり、外部からの刺激が体内に入ってくるのを防ぐのが最大の役割になります。

例えば、私たちが泥水を触っても汚れが体内に染みこんでこないのも、洗剤を触っても洗剤が染みこんでこないのはバリア機能のおかげなのです。

バリア機能で外部の刺激をシャットダウン

また、バリア機能には外部からの刺激をシャットダウンするだけでなく、もうひとつの重要な働きがあるのですが、それは肌の内部からの水分を角質に蓄え、内部の水分が外に蒸発しないようにする機能も備えています。

さらに、この重要な働きをしているのは角質細胞だけではなく、セラミドという角質細胞間脂質も重要な役割を果たしています。

肌が潤っているのはセラミドのおかげ

肌の潤いとセラミド
セラミドは角質層にある細胞間脂質の主成分であり、肌の潤いには成分でもあります。

角質の水分のうち、80%はセラミド等の細胞間脂質だと言われており、角質のバリア機能もセラミドの量と関係していると言われているくらい保湿には欠かせないものです。

角質層はいくつかの層になっているとお伝えしましたが、角質層はレンガのような構造になっていて、角質細胞がレンガで、その隙間を埋めているのセメントのような働きをしているのがセラミドなどの角質細胞間脂質です。

そして、セミミドが角質細胞の隙間をしっかりと埋めていることで肌の水分をキープしているのです。

セラミドの構造について

セラミドは肌の潤いのベースとなっており水の層と脂の層が交互に並ぶラメラ構造になっています。

ラメラ構造というのは、セラミドの分子が一定の方向に隙間なく並ぶ構造のことで、この構造によって細胞間脂質の間に水分を蓄えておくことが出来るようになっています。

ラミドの構造

これによって、セラミドは強力に水分を抱え込むことが可能であり、肌の保湿にも大きな役割を果たしているのです。

セラミドは加齢に伴い少なくなる

正常なバリア機能を保ち、肌の潤いをキープするためにはセラミドが隙間なくセメントの役割を果たしている必要があるのですが、セラミドは年齢を重ねるごとに減少していきます。

ちなみに、セラミドの量は肌の新陳代謝が最も活発な赤ちゃんのときが最も多いと言われており、その後は年を取ればとるほど少なくなっていくと言われています。

赤ちゃんの肌がぷるんぷるんなのはセラミドが豊富にあるからなのです。

セラミドが少なくなることでレンガの役割をしている角質細胞がぐらつきやすくなり、バリア機能が低下することで肌の水分が蒸発しやすくなって肌の乾燥を招いてしまいます。

セラミドの役割

セラミドは体内で作り出されることはないため、一度少なくなったセラミドは自然に増えることはなく、食事からセラミドを増やすということも残念ながら出来ません。

それでは減少したセラミドを増やす方法はないのかというとそういうわけではなく、セラミドを配合した化粧品を使うことで失われたセラミドを簡単に補うことが出来るのです。

ただし、一言でセラミドと言っても、人の皮膚には現在7種類のセラミドが存在していることが分かっているため、その中でも保水力が高いと言われているセラミド1、セラミド2、セラミド3のいずれかが配合された化粧品を使うようにするとより効果的に肌を保湿することが可能になります。

きちんと毎日ケアをして肌に必要な栄養を与えることで乾いた肌が生まれ変わるかもしれません。

セラミド以外の保湿成分

セラミド以外の保湿成分
角質層にはセラミド以外にも天然保湿因子(NMF)と呼ばれる成分が細胞の間に分散しています。

天然保湿因子は角質層の水分のうち約16%を占めていると言われていることから、セラミドの次に肌の保湿に重要な成分でもあるのです。

セラミドと同じように天然保湿因子にも水分を抱え込んでキープする作用があるのですが、バリア機能が低下していると顔を洗ったとき等に流出しやすいという性質があるため、バリア機能が低下して乾燥しやすい状態になっている上に、天然保湿因子が流出してしまうことでさらに肌の乾燥を促進してしまうことになってしまいます。

しかし、天然保湿因子も化粧品を使って補給することが可能で、天然保湿因子に似た成分であるアミノ酸やピロリドンカルボン酸肌等が配合された保湿クリーム等の化粧品を使うことで補うことが出来ます。

保湿化粧品

乾燥を感じ始めたら必要に応じて補うようにすると肌の保湿をキープすることが出来るでしょう。

バリア機能が低下する原因は?

バリア機能低下の原因
バリア機能が加齢によって低下することはご紹介しましたが、その他にも様々な要因によりバリア機能は低下してしまいます。

年齢以外の低下する原因で最も大きなものは、”乾燥”です。

バリア機能は肌を乾燥から守ってくれているのですが、肌が乾燥することで悪化すると言われています。

空気の乾燥や加齢、洗顔のしすぎ等により肌が乾燥しやすくなり、乾燥すればするほどバリア機能も低下していくのです。

また、セラミドが不足してくることでも角質の水分が蒸発してしまい、肌の内部の潤いが失われてしまいます。

肌の乾燥

バリア機能の低下は、肌を乾燥させえるだけではなく、赤みや炎症を引き起こしやすくなったりと様々な肌トラブルの要因にもなるため、普段からバリア機能が低下しないように肌の保湿をしっかりと行い十分にスキンケアをすることが重要になってきます。

バリア機能低下がもたらす肌の症状

バリア機能低下による肌の症状
乾燥は肌のバリア機能低下をもたらし、さらにバリア機能の低下により肌に様々な症状をもたらします。

例えば、バリア機能の低下により肌はわずかな刺激でも過敏に反応してしまうようになり、これが敏感肌やかゆみの原因となってしまいます。

また、紫外線によるダメージも受けやすくなるため、肌に傷がつきやすい状態となり、色素沈着を起こすことで将来のシミの原因にもなってしまいます。

さらに、バリア機能が低下することで皮脂の分泌量が多くなり、皮脂が毛穴に入り込むことで炎症を起こして大人ニキビが出来る原因にもなるのです。

このように乾燥と肌のバリア機能には密接な関連があり、バリア機能の低下によって肌に様々な症状を引き起こしてしまうのです。

また、バリア機能は肌トラブル以外にも外敵から私たちの体を守ってくれています。

バリア機能でウイルスや細菌を遮断

バリア機能低下でウイルス侵入
バリア機能には体内に異物が入ってくるのを防ぐ働きがあり、外部から侵入してこようとする細菌やウイル等の病原体、ほこり等から体を守る働きもあります。

しかし、バリア機能が弱まってくることで、これらの外部からの異物が侵入しやすくなり、皮膚疾患を悪化させたり、新たに皮膚の病気を引き起こしてしまうこともあるのです。

美容だけでなく、健康にも支障を来してしまうことで生活にも悪影響を与えてしまいかねません。

そうならないためにも、バリア機能が低下しないようにしておく必要があるのです。

おわりに

バリア機能は非常に薄い角質層で出来ていますが、この薄い層が私たちの体を様々な外敵から守ってくれているのです。

もちろん健康で若々しい肌を維持するためには、バリア機能が正常に働いていることが必要不可欠となります。

ところが、バリア機能は年を取ればとるほど崩れてきてしまうため、普段から肌の保湿をしっかりと行い乾燥から守ってあげる必要があります。

また、肌に潤いがなくなることで老け顔の原因となるだけでなく、バリア機能が正常に働かなくなることで肌の乱れや様々な肌トラブルをもたらすきっかけにもなります。

バリア機能の低下を防ぐためにも、普段から肌の乾燥を防ぐ対策を行い、潤いたっぷりの肌美人を目指しましょう!