ある日鏡を見てみると、今までなかった「シミ」ができているということがあります。
顔のシミは美白を目指す女性にとっては一大事ですから、すぐに何らかのケアをしようとするはずです。
しかし、”シミ”といっても原因にはさまざまなものがあり、一般的なスキンケアをしても治らないことが多いのです。
肌は全身の内蔵のコンディションやホルモンバランス、酵素などにも影響を受ける複雑なシステムを持ちます。
シミ対策を行うには、自分の今できているシミの「原因と種類」を見極めることが大切です。
女性の顔にできやすいシミの種類別に、それぞれの原因などを見てみましょう。
シミの原因は一つではない?
顔にできるシミの種類は一つではありません。
紫外線によるダメージでシミができることはすでに多くの女性が知っておられますが、肌は体の内部の状態を映し出すバロメーターでもあるので、肌に起きている外面的な症状だけを見ていても、原因を突き止めることは難しいのです。
女性の顔に現れるシミの代表的なものは以下になります。
・老人性色素斑
・肝班
・炎症後色素沈着
・ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
・そばかす(雀卵斑)
・脂漏性角化症
これらのシミの原因は、体内や真皮層・ホルモンバランスなどが関係してきますが、どれもが「紫外線」の影響によって色が目立ちやすく悪化させる原因になります。
最近では紫外線対策に気を使われる女性が多いですが、これらのシミに対するケア方法としては一理あります。
しかし、上記のシミの原因は皮膚上だけではありませんので、自分の症状に合わせた根本的な改善と合わせて紫外線対策も行うことが大切なのです。
それぞれのシミの種類と、症状や原因の詳細を見ていきましょう。
老人性色素班
老人性色素班とは、年齢が高くなるにしたがい目立ち始めるシミのことです。
老人性色素斑は、昔から高齢者に出やすいシミとして知られていますので、年齢に敏感な女性ならば何としてでもケアしたいシミですね。
老人性色素班の症状
くっきりとした茶色っぽい円形や楕円形のような形をしています。
シミの色には個人差があり、できる場所は紫外線の当たる部分すべてに可能性があります。
「老人性~」とありますが、肌のコンディションや体質によって、早ければ20代後半くらいから現れることもあります。
老人性色素班の原因
老人性色素斑は、加齢によって肌のターンオーバー(代謝)が遅くなることと、紫外線によるダメージの2つの原因が重なることで起こりやすくなります。
若いあいだは少々紫外線を浴びても代謝力が高いために、どんどん新しい皮膚組織が生まれて肌の黒ずみの原因である”メラニン色素”を排泄してくれます。
しかし、年代が高くなるにしたがい代謝力が落ちると、メラニン色素が皮膚に残ってシミを作ってしまうのです。
肝斑
「肝斑」は中年期の女性に現れやすいシミで、とくに更年期前後の30代・40代にできる代表的なシミです。
頬などに非常に大きな円形のシミができ目立ちやすいことから、この世代の女性の大きな悩みの一つだと言えます。
肝斑の症状
両方の頬からこめかみにかけて現れることが多く、非常に大きく”左右対称”に現れることが特徴です。
色は濃い肌色から茶色まで濃淡に個人差があり、シミの輪郭はぼんやりと拡散したような形状です。
おでこのあたりや口元の両端にできるものは、肝斑だと気づかれないこともあるので気をつけなければなりません。
肝斑の原因
肝斑はホルモンバランスの崩れが原因になることがほとんどです。
女性は30代後半にさしかかると、子宮が老化することでエストロゲンの分泌が悪くなり、全体的なホルモンバランスに急激な変化が訪れることが肝斑発生の直接的な原因だと言われています。
また妊娠・出産や、他の病気や避妊のために傾向ピルを服用することでも、適切なホルモンバランスを保つことができず、一時的に肝斑が現れることもあります。
体の内側に原因があるので、一般的なスキンケアではほとんど効果がありません。
炎症後色素沈着
「炎症後色素沈着」は外的刺激(虫刺さされ・傷・火傷など)や皮膚炎・肌荒れを起こした後にできるシミで、なかなか治りにくいしつこい性質をしています。
不適切なスキンケアや肌質に合わない化粧品を使うことでも起きることがあるので、肌の弱い女性ならば起きている可能性が高いと言えます。
炎症後色素沈着は、ターンオーバーによって皮膚組織の古いものが新しいものへと入れ替わると、しだいに目立ちにくくなることもありますので、基本的には”自然治癒”が前提になります。
しかし、完全に目立たなくなるまで数年かかることもあるので、美顔を意識する女性なら改善を急ぎたいところですね。
炎症後色素沈着の症状
炎症後色素沈着は、外的刺激などで起きるシミですので肌に現れる形状も一定ではありません。
肝斑などに似た丸い楕円形をしていることもあれば、まだらになって網の目のように見えるような酷い症状が見られるケースもあります。
ニキビや吹き出物が出やすい頬や顎の部分などに現れやすいのですが、肌に合わない化粧品などが原因である場合には場所も特定できません。
原因となった外的損傷の度合いと、もともと持っているメラノサイト(メラニン色素分泌する組織)の差で色合いも変わり、濃い肌色から茶色をしています。
炎症後色素沈着の原因
肌にシミや黒い色をつけている体組織「メラノサイト」は、紫外線によってメラニン色素を分泌しますが、炎症後色素沈着のような肌への直接的なダメージでも刺激されて色を付けされてしまいます。
炎症後色素沈着の色は、傷や火傷・ニキビなどの傷の色がそのまま色素になっていると思われがちですが、日焼けなどと同じ”メラニン”による色素の色なのです。
ターンオーバーによっての自然治癒となりますので、代謝の早い若年では早く治り、高齢になるほど代謝力が低下してしまうので治るのが遅くなる傾向があります。
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
「ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)」は、新しく定義されたシミの一種で”遅発性両側太田母斑”とも呼ばれることがあります。
皮膚の表面ではなく真皮層の奥深くに原因があるため、アザ(母斑)に分類されます。
生まれたときから症状が現れていることもあり、その後20~30代で明確な色が現れ始めます。
医学的に定義付けられたのはここ最近のことですが、ADMの症状を持つ人は多く、他の種類のシミと同時に現れていたりと判断の難しいシミでもあります。
ADMの症状
症状としては両頬に現れることが多く、とくにまぶたの部分にできている場合に、肝斑や老人性色素斑などの他の種類のシミと区別することができます。
色は薄い茶色をしていて、シミの輪郭は曖昧です。
広範囲に広がっていることも多く見られます。
ADMの原因
ADMは若年期に症状が始まる人も多いことから「遺伝が原因ではないか」と考えられていますが、はっきりと解明できていないのが実情です。
ただし、ホルモンバランスや強い紫外線を受けた後、または炎症などの外的な刺激が原因で症状が悪化することから、複合的な要因が重なり合った結果だとも言えます。
他の種類のシミの治療方法ではほとんど改善しないことから、原因の分からないシミを持っているのらばADMの可能性は高いと言えます。
そばかす(雀卵斑)
「そばかす(雀卵斑)」は誰でもよく知っているシミの一種です。
白人の肌に顕著に現れることが多いそばかすですが、日本人の肌にも見られることがあります。
そばかすは幼い頃から現れることから”症状”というよりも、その人の顔の個性として、すでに治療を諦めてしまう方も多くいます。
そばかすの症状
そばかすは鼻の付近から頬の両側に現れることが多く、肝斑や老人性色素沈着との区別はつきやすいと言えます。
その名称通り小さなつぶつぶの集合体として現れ、メラニンの特徴である茶色い点々が見られます。
そばかすができやすい人は顔だけではなく背中や胸の部分・腕や手など主に上半身に同様の色素が現れることもあります。
幼児期から発症が顕著になり、成人してから発症することはありません。
そばかすの原因
そばかすの原因は”遺伝”であることが分かっています。
人種的に発症率がかなり違うことを見てもそれは明らかなことです。
ただし、まったく治療や予防法がないかというとそうでもなく、紫外線対策することで症状を進行させないことも可能です。
脂漏性角化症
「脂漏性角化症」は、他の種類のシミとは違い”イボ”のように膨らんだ見た目をしています。
脂漏性角化症はかなり目立った症状が現れるので、女性ならば早く対処したいシミの一種ですね。
高齢者によく現れることから”老化の象徴”としての印象が強いため、女性にとっては厄介なシミです。
脂漏性角化症の症状
脂漏性角化症の症状が進行すると、茶色や黒のシミが膨らんでイボのような見た目をしているので、他の種類のシミとは区別することは容易です。
しかし、初期的症状はずっと以前から起きているもので、最初は1mm程度の小さな粒状のイボから始まります。
近くに複数が集まって現れることもあります。
脂漏性角化症の原因
脂漏性角化症の原因は「肌の老化」です。
ただし、他の種類のシミと同様に普段のケアの状態やコンディションによっても症状に差異があり、若い世代の方にも現れることはめずらしくありません。
紫外線を受ける量などにも影響を受けますので対処・予防の方法もあります。
まとめ
女性を悩ませる顔のシミには、たくさんの種類と原因があることがご理解いただけたと思います。
これらのシミにはそれぞれに治療法もありますが、まずは「予防」と「悪化することを防ぐ」という考え方が大切です。
最近ではたくさんのシミに対するスキンケア用品や紫外線対策コスメもあります。
また、レーザーでシミを治療するという方法も存在しています。
日常的なケアを心がけ、シミ対策を行いましょう。